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西谷夕爆誕祭その2!(その1はどこか、というアレは置いといて)というわけで、短いですが小話を一つ書きました。
というか、もう文字は書かないつもりだったんですが今朝起きてなんだか急にテンション上がって、気がついたら遅刻ギリギリになりながら書いてました・・・。全ては東西への愛です。
なんとか旭さんをかっこよく攻めっぽく書きたい!と思ってたんですが、やっぱりあんまりかっこよくはならないですね・・・。
でも、旭さんの素晴らしさはあの色気むんむんな見た目に反する可愛さだと思うので!
はっ!結局旭さんのことばっかり言ってる、今日はのやさんの誕生日なのに!

というわけで、追記に小話です。恋人設定の甘めなお話です。
あといつもの如く、三年は仲良しです。よろしければどうぞ。

早めに部室に来ていたら、外からドアを開けてくれと頼まれた。
そこにいたのは、両手のふさがった笑顔の西谷だった。





あなたなら何でも。





「西谷、いっぱいもらってるね。」
「はい、なんかクラスメイトとか通りすがりの知り合いとかが、ぽんぽん手の上に置いてったんですよ。」

両手に抱えたお菓子やらパンやら、主に食べ物で構成された山を見つめる。
これでしばらくおやつに困らないっす、なんて笑う横顔はとてもくすぐったそうだ。
西谷は、みんなに好かれている。
その事実が嬉しいけど、ちょっと余裕のない気持ちが生まれるのも事実で。
すっとその山から、小さな飴の入った袋を取り上げた。

「西谷、これ開けてもいい?」
「?いいっすけど。どうしたんすか、旭さん。お腹減ってるんすか?」
「うーん、そうだなあ。」

返事を濁しながら、ぴりぴりと袋を開けた。
色とりどりの大きな飴が透明の包装紙に包まれている。
その中から、薄い水色のものを取り出して、口に含んだ。

「西谷。」
「はい?――」

ばらばらばら、と床に広がるプレゼント。でも、それを拾う余裕なんて与えない。
ぎゅ、と後頭部に手を差し入れて、彼の身体を拘束した。
唇は、さっきから触れたままだ。

「・・・ん、ぅ。」

西谷の口が薄く開いたところに、舌を差し込む。
時折、苦しそうな甘い声が漏れた。それをまた聞きたくて、もっともっとと強請るように口づける。
最後に、口の中に含んだ水色のそれを、西谷の方に渡した。

「きゅうに、どうしたんれふか。」
「うーん、どうしたんだろうね。」

首に手を回したまま、西谷が分からないという顔でこっちを見ている。
少し目元が色を帯びている。至近距離のそれに、どくりと心臓が跳ねる。
それを隠すように曖昧に笑えば、質問に質問で返さないでくださいよ、なんて言われた。
でも答えるつもりはない。だって、恥ずかしい。こんな気持ちを表に出すのは。

ガリガリ、と飴玉が砕かれる音がする。
そのあと、またぐいっと距離が近づいて、ゼロになった。
触れあった唇はすぐに開いて、今度は彼の方からぐいぐいと咥内に侵入してくる。
さっき渡した飴玉の味がまた蘇るように濃くなる。もうすっかり形のないそれは、どっちにあるのか分からない。
ちゅ、ちゅ、と水音をさせながら、しばらく西谷を堪能した。
そのまま押し倒したい衝動にかられたけれど、ここは部室で、もうすぐ誰か来るだろうことが分かっているので自制する。
西谷もそれを分かっているので、少し名残惜しそうにしながらも、ゆっくりと唇を離した。

「ソーダ味のキスですね。」
「西谷、ソーダ味好きでしょ?」
「好きですよ。でも、ソーダ味じゃなくても、旭さんとするキスなら、なんでも好きです。」
「そ、そっか。」
「だから、旭さんは何も不安になることないですよ。」

そう言って、西谷はぎゅっと目を細めて笑った。いたずらに成功した子どもみたいに。
俺はもう、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしかった。
つまらない嫉妬は、最初から見透かされていたらしい。

「・・・ごめん。」
「何で、謝るんすか?俺、めっちゃ嬉しいんですけど。」

また、旭さんからキスしてくださいね。
そう耳元で囁くように言われてしまえば、応えるしかない。
可愛い恋人の頬を両手で挟む。そこには、期待した大きなアーモンド型の目。

「好きだよ、西谷。」
「はい、俺もです。」
「誕生日、おめでとう。」

そう言って、もう一度唇を重ねようとした瞬間――

「ちーっす。」
「「!!」」

バタン、と部室のドアが開いた。そこに立っていたのは、烏野高校排球部の、キャプテン様と副キャプテン様だ。
決定的瞬間を目撃されるのは免れたものの、明らかに近い距離は、何をしようとしてたのか明白だった。
澤村がじとっとした目から、にっこり笑顔に変わる様を見ていて、恐怖が走らないはずがない。
助けを求めるようにスガを見たが、にかっと微笑みを一つ。さらに。

「わー、旭ったら部室で大胆!イケメン、抱いて!」

要らないヤジまで飛ばしてくれた。そうだよね、お前はそういう奴だよね。

「ダメです、旭さんに抱いてもらうのは俺だけです!」

西谷、お前何言ってんの。ホント何言ってんの。
げんなりと肩を落としながら、黒いオーラを放っている主将に向き合った。
西谷も澤村の笑顔の意味に気付いて、一緒に小さくなって向かい合う。
小さい西谷が、さらに小さくなっているのは可愛いなあなんて末期なことも考えつつ、澤村の言葉を待った。

「ここがどこで、自分たちが何しようとしてたか、分かってるよな?」
「はい。」
「ったく、俺らだったからいいようなものの。他の奴だったらどうすんだ、気まずすぎるぞ。」
「・・・はい。」
「ま、今日は西谷誕生日だもんな。大目に見とくから、以後気をつけるように。」
「っ、はい。」

珍しい。さっきのにっこり笑顔なら、軽く外周走ってこいやら何やら、ペナルティを受けると思っていたのに。
西谷も驚いたみたいだったが、すぐに笑顔になった。

「大地さん、すみません!ありがとうございます!」
「いいよ、でも部室はだめだからな。気をつけろよ?」
「うっす!」

そう言って、西谷の頭を撫でる澤村と笑う西谷は、まるで親子のようだ。
よかったよかった、とばらまいていたプレゼントを拾いながら息を吐いた。

「あ、俺先に行って準備します!」
「おう、よろしくな。」

慌ただしく着替えた西谷は、ジャージを引っ掴んで勢いよく飛び出した。
いってらっしゃいと声をかけ、ジャージの上を羽織っていた俺の横に、すっと影ができる。
隣には、澤村が立っていた。下から見上げられているのにも関わらず、なんだろうか、いつも以上に威圧感が・・・

「旭は、ちょっと話しような?」
「・・・・・・ハイ。」

あ、勘違いだった。
大目に見てくれるのは、誕生日な西谷だけ、というわけで。
俺はそのあと、ガッツリ澤村にお説教を喰らった上に、体育倉庫の掃除を言い渡されたのだった。


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スガさんは空気ばっちり読める人ですが、いけると思ったら全力で悪ノリもしてくれると信じてます。
健気系なスガさんも好きですが、割とやりたい放題なスガさんも好きです。
のやさんガリガリ君がお好きなので、勝手にソーダ味好き設定・・・梨味派だったらどうしよう。
(プロフ見返したらソーダ!って書かれてますね、よかったよかった。)
なにはともあれ、お誕生日おめでとうでした!

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